固辞と辞去

こんにちは。推しが毎年成人式を迎えることでおなじみ鼻筋です。
今のところ再来年の予定は空いています。各位よろしくお願いします。

広島-尾道遠征の話もするつもりではありますが、今回はとりあえず北九州市は小倉の西日本総合展示場で開催された、AKB48 ジワるDAYS 個別握手会における元推しとの再会であり最後と、それにまつわる諸々の話。過去の清算なんていう言葉があるけれど、クリッククリックしていたときの自分はそんなこと知る由もなく。

 

 

4月6日と7日に分けて各支店が参加する合同握手会。大本命STU48ハロコン感想戦をしたかったHKT48、第三の山本が気になるNMB48は4月6日の参加。俺?俺は仕事だよバカヤロー。思えば以前に今村美月さんが福岡にきたとき(あれは2ndの告知でラジオに生出演するやつだったとおもう)も自分はせっせと仕事をしていた。推しのために働いているようなものなのに推しに貢げない悲しみ。早く3億円当ててドロップアウトするぞ。

そんなわけで仕方なく、誠に申し訳ないが本当に仕方なく本店と栄と新潟から気になる子を選んで行ってみようかなと。握手はしてみたいけどわざわざ遠征するほどでは…というのが選考基準。本店からせいちゃんとゆかるん、新潟からジュ!!、栄からは前からわりと好きなマヤン、最近気になってた青海さん、推しとかではないけど大好きな由麻奈さん、あともう完全にネタのつもりでとった内山さん。完全にネタのつもりでした。完全に。

そしたらまあKIIの二人が卒業発表しちゃったもんで。過去の自分の気まぐれファインプレー、なのか? 由麻奈さんも命さんも、初めて福岡で握手して、最後も福岡で握手することに。そういう運命だったのかな。オタク人生で初めて握手した二人だから、これがある意味正しい終わり方なのかな、と思ったりもする。

卒業することそのものについてはもう何も言わない、言えない。最早情報を得ようともしていなかったし、惜しんだり悲しんだりする権利もないし。それでもこういう機会を与えられたのは神の、アイドルとオタクのカルマを司るなにかしらの神の思し召しなのだろうとおもう。しらんけど。

 

そんなわけで6日に仕事を終え、そのまま高速をぶっ飛ばし小倉へ。オタク3人で飲み歩く。本命の推しがいないからという理由でにんにく丸揚げを頼むオタク。そういうとこだぞ(とてもおいしかった)。そして謎にツインで一泊するオタク。2週連続でオタクとツインで泊まるの意味不明すぎる。

翌日の予定は1部せいちゃん2枚から。メンバーの名前だけ見て何も考えず申し込んだので頭の悪すぎるスケジューリング。というか、夜勤明けの参加になる可能性も十分あったので、考えるだけ無駄という気持ちで申し込んでいたような気がするな。これがなぜか2週連続で日勤という奇跡のシフトをいただいたので、朝から無事参加できることに。カルマ。

前日の1時2時まで飲んでいたのに翌日7時過ぎには起きて会場に向かう。さながら握手の奴隷である。身体的にはともかく精神的にはぜんぜん苦じゃないのだけど。朝一でガラガラの会場、目指すはせいちゃんレーン。そもそも動画会て何やねんどうしたらええねんという精神的障壁(かれこれ10分くらは懊悩していた)を乗り越え、いざ受付へ。懊悩したせいで先に一人入られてしまったが10秒伸びようがたいしたことはない。免許証も準備して、さて…二度見した。俺はこの受付の女性を知っている。知っているもなにも、大学院時代の研究室の後輩ではないか! 彼女が前のオタクの券を数え終え、今にも顔をあげようとするタイミングであわてて回れ右、すごすごと撤退。だってばれたくないもん。10秒の差はでかかった。社会的九死に社会的一生を得た瞬間である。しかしまあ、四十いくつもレーンがあって、自分は1人分の券しか持っていないのにそれを引き当てる豪運よ。結局その日はせいちゃんレーンに足を運ぶことはできなかった。本当にすまない。

ついでに言えば2部のマヤンもアレがアレで部がまるごと潰れてしまった。早起きしたのに1秒も接触することなくお昼になるという…推し増し制度があって助かった。最終的にその余った券で色々できたので良かったは良かったのですけれども。運が良いのか悪いのか。これもきっとカルマ。

青海さんの顔と対応が思った以上に良くてまんまと推し増しを消費してしまったり、斯々然々でモチベーションが逆転して杏樹でなくニシムラナナコォに会いに行ったり、ほとんど動画も写真も撮ってないけど十分楽しんだところで、いよいよ6部内山さんの券が2枚手元に残るお時間になりまして。ちなみにこれは正規の券なので、当たれば1Sでも2Sでも撮れるやつですね。いったいどんな面して撮りに行けばいいのかわからないから外れてくれ外れてくれと思いながら例のモンティ・ホール問題みたいな画面にタッチするのですよ。当たるんですよ。うわあ参ったなあと思いながら台詞を選ぶ紙を見る。名前を記入しろと書いてある。本名以外は認めてくれないらしい。そりゃそうか。現役時代(とは)手紙を書いていたころ署名してたっけ。どうだったっけ。とにかくそのときは名前で呼ばれたくなかった。もうそんな間柄じゃないから。どんな間柄だ。元カノか。あながち間違いでもないけど。

台詞の選択肢の中には2つくらい名前を呼ばれないパターンがあった。「しぇからしか!」、博多弁で「やかましいわ!」くらいの意味かな、これが自分にはちょうどいいなと思ってこれにした。ひとつ前に並んでいた女オタに「台詞を言うたびに消耗する」などと愚痴っているのを聞いて懐かしい気持ちになりながらカメラの準備をする。自分の番になる。

握手の時間で何を話すかは大体考えていて、「福岡に来るから3年ぶりくらいに券を取ったのに卒業発表しやがって~」的なスタンスでいこうと思ってた。別に嘘じゃない。ヘラヘラと無責任な通りすがりのモブで終わるつもりだった。

3行目まで完全に油断していた。もしかしたら見覚えくらいはあるかもしれないとは思っていたけど、3年も前のことだし、そこまで頻繁に会いに行けていたわけでもないし、覚えてもらおうとしたわけでもないし、名乗ってすらもなかったし。

しかし一体全体どこでパンダと結びついたのか。当時はパンダのリュックを使ってはいたけど、荷物はレーンには持っていけないし。便箋はパンダ柄のを選んで送っていたと思うけど、握手会で手紙の内容を話したりした記憶もない。いや、一度だけ「こないだ出したから読んでね~」みたいなことは言ったような気がするけど、その程度の情報でリンクしたのならすごくすごい。そうでなければ、僕が「パンダが好きそうな人相」であるぐらいしかない。これかな。絶対これだわ。

ミスター鉄面皮の異名を持つ自分でもさすがに動揺した。しかしこのまま、呆然としたまま黒縁メガネゆかるんの券を干すわけにもいかない。一旦移動して黒縁メガネゆかるんが精一杯応援してくれるラブリーな動画をスマホに収めたあと、ラスト1枚と残っていた券をほぼ全部使ってもう一度会いに行く。本当は全部使ってもよかったんだけど、実は西満里奈ちゃんに会ってみたかったので一枚だけしっかり残した。

とにかく話がしたかったので受付の人に「握手だけでいいです」と伝えたものの、「せっかくなので押すだけ押してみては」と言われモンティホール。そして当たる。参った。どうしても名前は呼んでほしくなかったし、どうせなら静止画としても残しておこうと思って2Sに。オタクにアイドルの前で自撮りさせるなんて残酷だ。考案者はサイコパスか何かか。来世はゾウハナミズケムシにでもなればいい。きっと誰かが愛してくれる。

病気にでもなったかと思われていたらしい。生きてはいたけど他界してました。本人からしてみれば、言われたところで喜べる話ではないだろうけど、それでも「推していたあの頃が楽しかった」ということはちゃんと伝えたかった。いま思えば、最初に会ったときからこの日まで、笑顔以外のあの人を握手会で見たことがなかったように思う。そういうところが好きだったんだなとしみじみ思った。

その次の部で、こちらも最後になるであろう由麻奈さんともお別れをしてきました。声が出ない状態だったのが残念だったけど、人生ではじめて握手をしたアイドルときちんとお別れができてよかった。対人記憶力が半端ない由麻奈さんでもさすがに3年ぶりのモブの顔はうろ覚えだったらしい。「誰推しだったっけ?」と聞かれて「あー…えっと…内山さんです」と答えた。過去形で質問されたので嘘はついてないから許してほしい。「内山さんって呼んでるのw」とウケられてしまった。

 

推してた期間はたぶんたった2年くらい、会いに行った回数は5,6回くらい? 手紙は何回か書いたけど、名乗ったわけでもないし、公演に行ったわけでもないし、生誕委員やらとして何かしたわけでもない。そんなどうしようもないやつでも、アイドルは「自分のことを好きな人」というのをちゃんと見てくれているらしい。自分には一生縁のない感情だろうけども、縁もゆかりもない人間がどこかで自分と出会って、どこかから自分を応援してくれているというのは、それぐらいには心強いものなんだろう。当時も今も有象無象の一人であることに変わりはなくても、好きという気持ちを表現すればしただけ、きっと何かが生じるし何かが残る。だから貧乏多忙なる学生オタク諸君、そして当時の俺、どれぐらい推しているかとかどれぐらい会いに行ったかとかそういうの、自分が思っている以上には全然関係ないぞ。敢えて陳腐な言葉を使わせてもらうけれども、好きならそれでいい。自分の主観を信じていけ。でもできればたくさん会いに行こうな。

ちなみに由麻奈さんとお別れしたあと、セーラー服を着た西-合法-満里奈ちゃんにめちゃくちゃ癒されました。いけないお店に行った気分でした。SKEの未来だいぶ明るいな。